フランスのコホートでみたリウマチ性・炎症性疾患患者のCOVID-19重症度・生存率

2021年3月22日月曜日

COVID-19

t f B! P L
未だに結論出きっていない膠原病リウマチ,その治療薬ととCOVID-19の重症化・死亡率の関連.見る論文によって毎回ちょっとずつ結論が変わるのでバラバラに見てると訳が分からなくなってくるが,通しで見比べてみると何となく共通項が見えるかもしれない.
良ければこちらもご参照ください。



今回はフランスからの報告.


〇フランスのコホートでの,炎症性リウマチ性・筋骨格系疾患(おおむねリウマチ膠原病疾患と考えてOK)の重症化・死亡に関する分析.

〇既知のリスク(高齢,男性,高BMI,高血圧)に加え,
・ステロイド使用(OR=1.97 95%CI:1.09-3.54)
・MMF使用(OR=6.6 95%CI:1.47-29.62)
・RTX使用(OR4.21 95%CI:1.61-10.98)
がリスク上昇.
MTX,TNF阻害薬,IL-6阻害薬は重症化との関連なし.

〇死亡については年齢・性別・併存症をマッチさせた非リウマチ膠原病患者との比較で,
OR=1.45 95%CI:0.87-2.42 と有意な差はなし.

引用元:Severity of COVID-19 and survival in patients with rheumatic and inflammatory diseases: data from the French RMD COVID-19 cohort of 694 patients Annals of the Rheumatic Diseases 2021;80:527-538.


やはりステロイドは重症化リスクになりそう.studyによって用量まで検討したりしていなかったりで,そこでstudy毎に結果が左右されるのかもしれないが.

免疫抑制剤や細かい生物製剤までは検討されていないかnが少なすぎて検討できないような報告が多かったので,MMFとかまで踏み込んでるのは割と珍しい.逆に言うと今回有意差が出たからといっていきなり決めつけは出来ないとも思う.
ただ普通に考えたらMMFとかCNI(今回は未検討)あたりの直に細胞性免疫に関わる治療はそれだけでウイルス排除は進まなそうなので,重症化につながってもおかしくなさそう(あくまで勝手に思っているだけ).

あとTNF阻害薬は有意差はついていないけど今回もprotectiveな方にかなり寄っている.TNFに関しては割と自信をもってCOVID-19リスク恐れ過ぎなくていいと説明できるかな.

このブログを検索

ブログ アーカイブ

自己紹介

駆け出しの膠原病リウマチ内科医.今は毎日追いつくべくひたすら修行中.

連絡フォーム

名前

メール *

メッセージ *

QooQ