前回「分類基準は診断基準ではない」とか偉そうに言ってたが,今度は2019分類基準の各項目がどのようなパフォーマンスをしているか調べた研究.
初めて各項目に重みづけがつけられた基準でもあり,実際の各項目の重要性をどの程度反映しているかは気になるところ.
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■EULAR/ACRのderivation cohortとvalidation cohortを合わせた1197例のSLE患者と,SLEをmimicする様々な病態の非SLE患者(自己免疫疾患など)1074例を合わせて,抗核抗体と23の特定の基準項目の感度と特異度を調べた.
■entry基準の抗核抗体は感度99.5%だが,特異度は19.4%.
■個別項目では感度のばらつきが大きい.
低いものだと,せん妄:0.42%,精神病:1.84%.
高いものだと,dsDNA抗体:75.6%,C3 or C4低下:71.7%.
■個別項目の特異度はどれも高い.
ほぼ95-100%.低いものでもC3 or C4:83%,白血球減少<4000/μL:83.8%
■「SLEの他に原因がない」というattribution ruleの有無で精度が変化した項目.
関節症状はこの有無で特異度が57.6%→90.9%に増加.発熱は91.7%→95.3%に増加.
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高感度の抗核抗体でふるい落としてから,高特異度の各項目で固めに行ってる構図が数字でも出てる.
ふるい落としが抗核抗体一点のみなのでそこから稀に外れる例が拾い上げられないのは臨床診断上は問題だが,逆に抗核抗体ってそれぐらい感度高いので,陰性だと他のループスらしさが相当ないとやっぱり否定的になってくるなとは思う.
ぶっちゃけどれも特異度高すぎて,あまりこの結果でどれが重要とか言いにくいのだが..4点以上割り振られている項目は特異度100%近いのが多い印象.
あと「ほかに原因がない」って大事だが結局それが分かったら苦労しないっていう面はある.関節症状とかは関節リウマチはじめ膠原病でいくらでも出るので変動が大きい.発熱が逆に適応されてもされなくても大きく変わらないのが本当か?と思ってしまうが.
元論文だと1982ACRとか2012SLICCについても触れてたりするので良ければ読んでみてください.
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