近年の報告を含めた薬剤性ぶどう膜炎の原因

2021年3月25日木曜日

ぶどう膜炎

t f B! P L

 過去記事リバイバルばっかりもなと思って,たまたまTwitterで流れてきたものを何となく読んでみた.ぶどう膜炎がうちの病気かとかそういう話をし始めても虚しいだけなので,気分転換に.

ぶっちゃけかなり苦手で,鑑別もすっと出てこない.いわゆる「うちの科」かもしれないぶどう膜炎の原因としては
・学生レベルの知識で・・・Bechet病,サルコイドーシス,Vogt-小柳-原田病
・リウマチ内科的には・・・脊椎関節炎(炎症性腸疾患・乾癬含む)
・感染なら・・・結核,真菌,CMV,トキソプラズマ,ヘルペス
・腎臓内科以外で挙げるとちょっとドヤ顔・・・TINU症候群

と不明熱・不明炎症レジデントマニュアル片手に羅列してみたけど,ここから更に前部・後部とか片側・両側とか考えると訳が分からなくなる.

そしてそんな中で完全に頭から抜けていた薬剤性ぶどう膜炎のお話.ごく稀(本文より,ぶどう膜炎全体の0.3-0.5%)とのことだが,こういう機会に勉強しておく.
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の時代になって,かなり情勢が変わったこともあり今回の研究に至ったとのこと.



■WHO国際医薬品安全性監視データベースに基づいた研究で,1967-2019年の報告が対象.

■大きく分けると5つのグループに分類,投薬開始から発症時期も各治療薬でそれぞれ異なっていた. 

・ビスホスホネート:26.9%(5日)
・抗ウイルス薬以外の抗生剤:25.4%(136日)
・プロテインキナーゼ阻害薬:15.5%(138.5日)
・ICI:15%(76日)
・抗ウイルス薬:11.1%(68日)

引用元:Anquetil, C., Salem, J. E., Lebrun-Vignes, B., Touhami, S., Desbois, A. C., Maalouf, G., … Saadoun, D. (2020). Evolving spectrum of drug-induced uveitis at the era of immune checkpoint inhibitors results from the WHO’s pharmacovigilance database. Journal of Autoimmunity, 111(April), 102454. https://doi.org/10.1016/j.jaut.2020.102454

確かにビスホスホネートってどこかで聞いたことがある気が..稀にぶどう膜炎の全身精査でいきなり紹介来たりするので要注意だなあと.
ビスホスホネートは使いまくりなので特に要注意かな.ICIもirAEで併診しうるので眼症状に注意が必要と再認識.
抗生剤の報告のメインはリファブチン.1stで使うことは少ないけどNTMで稀に使っている人もいるので無関係でもない.

他にも報告されている薬剤の内訳とか詳細が記載されいているので,気になる方は元論文読んでみてください.

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駆け出しの膠原病リウマチ内科医.今は毎日追いつくべくひたすら修行中.

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