生物学的製剤にTDMするっていう発想が全然なかったので驚いた.確かにインフリキシマブって間隔とか用量に結構自由度があってどの量が適切なのかはよく分からないまま調整している感じ.
主に潰瘍性大腸炎やクローン病などで過去に観察研究レベルで有用性を示唆する報告があったよう.
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■ノルウェーの21の病院で,免疫疾患の成人患者411名を対象にしたRCT.
脊椎関節炎30%・関節リウマチ20%・潰瘍性大腸炎20%・クローン病15%・乾癬性関節炎10%といった内訳.
■標準治療群では臨床症状に合わせて用量調整.TDM群では投与のたびにトラフと抗薬物抗体濃度,治療域に達するよう推奨される用量・間隔が提示される.抗薬物抗体が一定濃度以上になると治療変更が推奨される.
■30週目の臨床的寛解率で評価.
TDM群では198例中100例(50.5%),標準治療群では200例中106例(53.0%)に認められ,両群に有意な差はなし.引用元:Syversen SW, Goll GL, Jørgensen KK, et al. Effect of Therapeutic Drug Monitoring vs Standard Therapy During Infliximab Induction on Disease Remission in Patients With Chronic Immune-Mediated Inflammatory Diseases: A Randomized Clinical Trial. JAMA. 2021;325(17):1744–1754. doi:10.1001/jama.2021.4172
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タイトル見てびっくりしたが結局寛解率の改善はないという結果.
関節リウマチのような抗薬物抗体が出やすい群に絞ったら有益だったのでは,そもそもIFXの有効域ってどこまで妥当なのか,抗薬物抗体が必ずしも薬物中和抗体とは限らないのでは,などなど,discussionやeditorialで述べられているし個人的にも思うところではあるが,結果として今のところpracticeを変えることはなさそう.
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