ただ根拠となった研究のinclusion criteriaについては,「MRIで仙腸関節に所見があること」や「MRI所見がない場合はCRP上昇があること」などをcriteriaにしているのが基本で,現実の対象患者とは乖離があると.
そこで今回の研究はより対象を現実的にして,MRI所見やCRP上昇を必須条件としない患者群でもエタネルセプト(ETN)が有効か調べた研究.
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■少なくとも2つ以上のSpAの特徴を持ち,BASDAI≧4の高疾患活動性があり,MRIの仙腸関節所見 and/or CRP上昇を必須条件としない,2剤以上のNSAIDsに反応不良なTNF阻害薬 naiveの炎症性腰痛患者が対象.
■16週間のETN投与あるいはプラセボ投与に1:1にランダム化.primary endpointは16週時点のASAS20.
■80例が40例:40例にランダム化.
■primary outcome:16週時点でのASAS20はETN群16.7%,プラセボ群11.1%(rerative risk0.7(0.2-2.2))と有意な差はなかった.
■secondary outcome:ASDAS,BASMI・CRP・赤沈・SPARCC indexスコアの変化なども赤沈以外有意な差・変化なし.
引用元:Rusman, T., van der Weijden, M.A.C., Nurmohamed, M.T., Landewé, R.B.M., de Winter, J.J.H., Boden, B.J.H., Bet, P.M., van der Bijl, C.M.A., van der Laken, C. and van der Horst‐Bruinsma, I.E. (2021), Is Treatment in Patients With Suspected Nonradiographic Axial Spondyloarthritis Effective? Six‐Month Results of a Placebo‐Controlled Trial. Arthritis Rheumatol, 73: 806-815. https://doi.org/10.1002/art.41607
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ということで組み入れ基準を緩くしたところ有効性を示せず.
実際にはnr-axSpAとすべきでない患者が含まれていたのかもしれないが,そもそもnr-axSpA自体がどういう患者を見ているのか(axSpAに全例なる訳ではない)が難しいところ.
臨床的にnr-axSpAと疑っても,MRIもCRP所見もない例ではTNF阻害薬はあまり奏功しないのかも.まあ日本ではどっちみち適応通ってないが.
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