寛解例でエタネルセプトとメトトレキサートはどちらから減量するか

2021年5月4日火曜日

MTX エタネルセプト 関節リウマチ

t f B! P L
有名なTARA studyではTNF阻害薬からでもcsDMARDから減量しても24週時点の再燃率に差はない(そして費用対効果にも差はない)という結果.
そしてACRの次に出される予定のrecommendationではメトトレキサート(MTX)から減量しましょうという方向になっている.
今回の論文はエタネルセプト(ETN)のみで減量戦略を確かめた研究.


■ETN+MTXの併用療法を受け24週時点で寛解維持している成人RA患者253例が対象.
■MTX単剤・ETN単剤・併用療法の3群にランダム化され48週間二重盲検で比較.再燃例では元の治療にレスキュー治療.

■48週時点でのSDAI寛解率はMTX単剤群(28.7%),ETN単剤群(49.5%),併用療法群(52.9%).MTX群で有意に低い.

■再燃までの期間もMTX単剤群で有意に短い.

■再燃しレスキュー治療を受けた患者では各群とも70-80%で再度SDAI寛解を得られた


引用元:Curtis, J.R., Emery, P., Karis, E., Haraoui, B., Bykerk, V., Yen, P.K., Kricorian, G. and Chung, J.B. (2021), Etanercept or Methotrexate Withdrawal in Rheumatoid Arthritis Patients in Sustained Remission. Arthritis Rheumatol, 73: 759-768. https://doi.org/10.1002/art.41589


こうグラフを見ると併用療法とETN単剤でほとんど差がなく,ETNでうまくいった例ってMTX切れるんじゃないかと思ってしまう.導入時点での話ではあるがTNF阻害薬の中ではMTX freeでもそれなりにやれるBioではあるので.

逆にBio freeは厳しそう.研究の背景やoutcomeの指標などが全然違うので単純比較はできないが,アダリムマブのBio freeの根拠になってる試験なんかを見てると全然比べ物にならない.

TARA studyではTNF阻害薬全部一緒くたになっていたが,個々で見るとそれぞれ特徴に差が出てきて,もっと戦略が個別化できるのかなと感じました.

このブログを検索

ブログ アーカイブ

自己紹介

駆け出しの膠原病リウマチ内科医.今は毎日追いつくべくひたすら修行中.

連絡フォーム

名前

メール *

メッセージ *

QooQ