何となく骨髄浮腫があればaxSpAっぽさが増すようなふわっとした理解しか出来ていなかったが,実際どの病変にどれほど診断意義があるか.
今回はMRIの所見ごとに感度/特異度をみた研究.
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■全情報を得て判断したリウマチ科医による診断をgold standardとして,MRIのみを見る放射線科医の診断と比較.
■axSpA疑い例300例が組み入れられ,うち
132例(44%) がaxSpAと診断.
リウマチ科医と放射線科医の診断は262例(87.3%)で一致し,34例(11.3%)でリウマチ科医のみが臨床的にaxSpAと診断し,4例(1.3%)で放射線科医のみがaxSpAと判断した.
■axSpAの診断において
・感度が高い:骨髄浮腫(感度72.5%,特異度63.3%),骨硬化(感度81.3%,特異度43.2%)
・特異度が高い:骨びらん(感度59.5%,特異度88.8%),脂肪変性(感度56.5%,特異度89.3%)
・骨髄浮腫と骨びらんの組み合わせが最も陽性反応的中度が高かった(86.5%).
引用元:Baraliakos, X., Ghadir, A., Fruth, M., Kiltz, U., Redeker, I. and Braun, J. (2021), Which Magnetic Resonance Imaging Lesions in the Sacroiliac Joints Are Most Relevant for Diagnosing Axial Spondyloarthritis? A Prospective Study Comparing Rheumatologists’ Evaluations With Radiologists’ Findings. Arthritis Rheumatol, 73: 800-805. https://doi.org/10.1002/art.41595
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ということで,conclusionとしては骨髄浮腫は除外診断に有用と(といっても感度72.5%だが).逆に骨髄浮腫は産後や運動など病的でない原因でも認めるという報告が出てるので,特異度の低さには納得がいく.
病変毎の意義がよく分かってないままだと所見があったとてどこまでMRIから疑ってよいか難しいところなので,参考になります.
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