強皮症関連間質性肺炎(SSc-ILD)でニンテダニブ使用した例で,%FVCの改善がどのような分布か,背景により差があるのか.今回はSENSCIS試験をpost hoc解析で更に細かく見た研究です.
”
■52週時点で
%FVCの低下を認めたのはニンテダニブ群55.7%,プラセボ群66.3%.
%FVC5-10%の低下を認めたのはニンテダニブ群13.6%,プラセボ群20.1%.
%FVC10-15%の低下を認めたのはニンテダニブ群3.5%,プラセボ群5.2%
%FVC3.3%以上の低下(FVC悪化のMCID(臨床的における最小重要差))を認めたのはニンテダニブ群34.5%,プラセボ群43.8%
%FVC3.0%以上の増加(FVC改善のMCID)を認めたのはニンテダニブ群23.0%,プラセボ群14.9%.
■ベースラインでの%FVC,HRCTでの線維性ILDの程度,最初の非レイノー症状からの時間,ステロイド使用 によって分類したサブグループでみても,ニンテダニブのプラセボに対する効果の不均一性はなかった.
Maher, T.M., Mayes, M.D., Kreuter, M., Volkmann, E.R., Aringer, M., Castellvi, I., Cutolo, M., Stock, C., Schoof, N., Alves, M., Raghu, G. and (2021), Effect of Nintedanib on Lung Function in Patients With Systemic Sclerosis−Associated Interstitial Lung Disease: Further Analyses of a Randomized, Double‐Blind, Placebo‐Controlled Trial.
Arthritis Rheumatol, 73: 671-676. https://doi.org/10.1002/art.41576
”
すごい目新しい点はないかもしれませんが,幅広く使えますよという話.
FVC改善する層もいる(そもそも一回一回のFVC自体がどこまで厳密に正確かという問題もありますが)というのは聞いたことありますが,それにしてもグラフにしてみると結構いるなぁという素人臭い感想.
プラセボでも14.9%はMCID超える改善してるんですね.もちろん改善のORもニンテダニブで有意に高い.
0 件のコメント:
コメントを投稿