まだ外来経験が乏しいこともあって自分の経験がなく,知識が追いついていないですが,MMFは妊娠可能性あれば禁忌,シクロホスファミドは卵巣機能低下と関連といったキードラッグが制限されたる他,妊娠中の再燃も有名.
また抗SS-A抗体と先天性房室ブロックの絡みも要注意.
ただSLE自体が妊娠アウトカムにどのような影響が実際あるのかは自分自身はよく分かってなかったので,今回はそんな論文.
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■Lupus Clinic of Sapienza University of Romeに通院中のSLE患者を対象とした単施設研究.2008年から70のSLE患者の妊娠を評価.コントロールとして自己免疫疾患のない女性の妊娠100件を評価.
■SLE患者とコントロール群でおおむね妊娠のアウトカムに差はなかったが,低出生体重児の率のみは有意に高い(22.8% vs 11% P=0.003).
■疾患の再燃が妊娠中に28件(40%),産褥期に31例(44.3%)認められた.
■多変量解析では,抗dsDNA抗体,抗RNP抗体陽性が低出生体重児と関連し,抗SS-A抗体が妊娠中の再燃に関連していた.
引用元:Fulvia Ceccarelli, Carmelo Pirone, Carlo Perricone, Aikaterina Selntigia, Valeria Orefice, Viviana Antonella Pacucci, Simona Truglia, Francesca Romana Spinelli, Paola Galoppi, Cristiano Alessandri, Guido Valesini, Roberto Brunelli, Giuseppina Perrone, Fabrizio Conti, Pregnancy outcome in systemic lupus erythematosus patients: a monocentric cohort analysis,
Rheumatology, Volume 60, Issue 4, April 2021, Pages 1747–1754, https://doi.org/10.1093/rheumatology/keaa470
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小規模単施設研究なので結果を丸々一般化すべきではないと思いますが,各抗体ごとで少しずつ関連するアウトカムが異なるのは興味深くはあります.
再燃はやっぱりなかなか多い.本文中にどのタイプのフレアが多いかも図が掲載されていますが,血球減少が最多なようです.
もっと流早産が増えるものかとも勝手に思っていましたが,そんなことはない結果.もちろん低出生体重児の結果に関しては注意が必要ですが.
本論文の結論では膠原病内科・産婦人科などの集学的な治療が大事とのことで,正に他科協力の賜物なのかもしれません.
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