RTX登場後の感染症に関するデータが少ないので,行われたのが今回紹介する研究.
”
■ギリシャの3次病院3施設のAAV患者コホートを用いた後方視的観察研究で,重症感染症の罹患率と有病率を調べる.162例で多発血管炎性肉芽腫症と顕微鏡的多発血管炎のみ.
■シクロホスファミド(CYC)による寛解導入は,リツキシマブ(RTX)による寛解導入より重症感染症の罹患率が高い(19.3/100人年 vs 11.3/100人年).
■維持治療は寛解導入時より重症感染症の罹患率が低く,RTXによる維持治療とその他薬剤での維持治療では差はなし(5.52/100人年 vs 4.54/100人年).
一方でベースラインのBVAS高値は診断後1年の重症感染症にのみ関連(OR1.11).
引用元:Thomas, K., Argyriou, E., Kapsala, N. et al. Serious infections in ANCA-associated vasculitides in the biologic era: real-life data from a multicenter cohort of 162 patients. Arthritis Res Ther 23, 90 (2021). https://doi.org/10.1186/s13075-021-02452-8
”
後方視的研究なのでこれのみでRTXがCYCより安全と言ってしまっていいかは微妙ですが,もともと個人的には細胞障害性のある治療よりはRTXに心が寄っているので,心強い結果に.
あとベースの疾患活動性と感染リスクは他の疾患でもしばしば言われるイメージだが,その後のコントロールは良好な患者でどこまで本当に影響しているのかな,とは思っていたので今回の結果は割と納得.
逆に透析はその後も尾を引きますかね..
0 件のコメント:
コメントを投稿