ワーファリンは変形性関節症患者の膝・股関節置換術を増やす

2021年4月22日木曜日

変形性関節症

t f B! P L
胆道閉鎖症ではビタミンKが吸収できず,ビタミンKは骨代謝にも関わっているので,骨粗鬆症やくる病を合併しうる,という話は国試で何となく聞いたことがある気がする.
変形性関節症(OA)に関してもビタミンK欠乏は発症や進行に関わるとされている.

では,ビタミンKのアンタゴニストによるワーファリンもOAを悪化させるんじゃないの?というのは当然沸いてくる疑問.今回はOAの終末期の証拠ともいえる関節置換術を指標に検討した研究.


■イギリスの一般開業医のデータベースでのnested case-control研究.心房細動で新規にワーファリンorDOACを処方された例のうち,膝・股関節置換術を受けた例を特定し評価.

■ワーファリン使用例はDOAC使用例に比べ関節置換術のリスクがOR1.59倍(95%CI 1.31-1.92).

■ワーファリン長期使用例では関節置換術のリスクが高かった.


引用元:Ballal P, Peloquin C, Boer CG, et alWarfarin use and risk of knee and hip replacementsAnnals of the Rheumatic Diseases 2021;80:605-609.


リウマチ患者含めOA患者かなり診てるハズなので,あんまり「ワーファリンが関節に悪いんじゃないか?」なんて考えたことがなかった.
もっとも使えるなら最近はそもそもDOACファーストで,今更OAへの影響自体で処方が大きく変わるということはないのかもしれないけど.

このブログを検索

ブログ アーカイブ

自己紹介

駆け出しの膠原病リウマチ内科医.今は毎日追いつくべくひたすら修行中.

連絡フォーム

名前

メール *

メッセージ *

QooQ