恥ずかしながら関節リウマチ患者が糖尿病になりやすいかどうか,「どうせなりやすいんだろうな」というふわっとした理解したしていなかったが,やはり実際になりやすいだろうという報告は過去にあるよう.
それではどのような患者が特に糖尿病になりやすいのか,という疑問に答えたのが今回の論文.
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■VARA registry(退役軍人の多施設コホート)の成人RA患者のうち,組み入れ時に糖尿病のない1866例が対象.フォロー中に130例が糖尿病に罹患.
■高い疾患活動性(DAS28-CRP),肥満,高齢,男性で糖尿病罹患リスク上昇.現在の喫煙は罹患リスク低下.
■治療薬ではMTXが罹患リスク低下.
プレドニゾロン,TNF阻害薬,アバタセプト,ヒドロキシクロロキン(本邦では適応外)はリスクに関連せず.
■血清サイトカイン/ケモカインではIL-1,IL-6,マクロファージ由来の特定のサイトカイン/ケモカインなどが糖尿病罹患リスク上昇と関連.
引用元:Baker JF, England BR, George M, et alDisease activity, cytokines, chemokines and the risk of incident diabetes in rheumatoid arthritisAnnals of the Rheumatic Diseases 2021;80:566-572.
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案の定疾患活動性はリスク上昇という結果.喫煙についてはなぜリスク低下になったのか,考察もなく通常の糖尿病との関連を考えてもよく分からないので保留.
PSLがリスクと関連しないのは意外だったが,RAで使う程度の量ならそれほど影響はないのだろうか.
あとはMTX以外の調べられた治療でリスク下げるものはなし.MTXは疾患活動性とは別にリスクを下げているのではないかと考察されていた.
サイトカインについてもいろいろ調べられていたので,気になる方は本文をどうぞ.
TNFαはあまりリスクと関連なさそうで,それならTNF阻害薬よりIL-6阻害薬の方がリスク下がったりするんだろうとか,サイトカイン見て糖尿病罹患リスクが予想できたりとかするんだろうかとか思ったりもするが,血清のサイトカインだけでなかなかそこまで上手くいくかはまだわからないかな.
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