ただステロイドによる消化性潰瘍リスクが示されているのはNSAIDs併用時のみで,ステロイド単剤で併用すべきというエビデンスは不十分(※2020年の消化性潰瘍ガイドラインを読めていないので,この辺の議論知らない間に変わっていたら教えてください).
ホントにいいの?と常々思ってたら先日Evidence Alertに流れてきたのが今回の研究.実は以前Twitterで流したのだが,ARDの巡回で引っかかってきたので改めて記事にしてみた.
〇50歳以上のRA患者を対象にした,経口ステロイドとPPIの併用と骨粗鬆症性骨折のリスクに関するコホート研究
〇経口ステロイドとPPIの併用は,骨粗鬆症性骨折のリスクが1.6倍
〇経口ステロイド単独・PPI単独での骨粗鬆症性骨折のリスクは約1.2倍であり,併用の方が有意にリスクが高い
〇PPI自体の用量や投与期間ではリスクに変化はない
引用元:Abtahi S, Driessen JHM, Burden AM, et alConcomitant use of oral glucocorticoids and proton pump inhibitors and risk of osteoporotic fractures among patients with rheumatoid arthritis: a population-based cohort study. Annals of the Rheumatic Diseases 2021;80:423-431.
PPI単独でも色々副作用の疑いが晴れない中,併用薬次第でこうしてじわじわ悪さをしてくるのかもしれない(この研究に関してはPPI単独でも有意なリスクになってしまっているし).
もちろんNSAIDs併用することが多くてやむを得ず使用する例も多いが,何でもかんでもルーティン使用はやっぱり止めてみようかなと思う.
他の膠原病でどうなるかは分からないが,そもそもルーティン使用する根拠が乏しいのなら同じかな.
「そもそもRAにステロイド長々使うなよ」「ダラダラNSAIDs使うなよ」という優等生な意見は置いておいてください.
0 件のコメント:
コメントを投稿